記事のアーカイブ

苦手なスクワットを克服するー身体的な特徴を理解するー

   ここでは、スクワットを上手くしゃがめないと感じている方に対して、私の経験をもとに少しでもアドバイスが出来ればと思っています。内容は、「自分の身体的な特徴を理解して、どのような対処ができるのか?」についてです。  筆者もスクワットを始めた頃、フルまでしゃがむことができずそのフォームは周囲の方がドン引きするほどのものでした。(今まで多くの選手を指導してきましたが、筆者の右に出る者はいないと言っても過言ではないほど下手です笑。) 少し前から日々失敗を繰り返して得た経験を、同じように悩んでいる方々に伝えたいとずっと思っていましたので、これを機に書かせていただきます。 もちろん、人によっ
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高頻度トレーニングで重量を伸ばす!?

  パワーリフティング競技では、”エブリディベンチプレス”といった週5〜6日程度の高頻度トレーニングを実施する選手が多数存在する。競技者の中には、フォームの安定や改善に良いという声もある。 しかし経験的に有効であるとされているが、科学的には明らかになっていない。 ベンチプレスといった多関節動作では、様々な筋が互いに協調して連動する。 パワーリフターを対象にしたベンチプレスの研究(トップリフターのベンチプレスを科学的にみる)では、バーベル挙上時の筋の連動性が個人個人で異なることを報告している。つまり、上級者は長年の経験を経て、自分の身体的特徴や筋の構造に合うようなフォームに調整してい
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ドーピングの効果はいつまで残存するのか?

 最近フィットネス界隈を賑わしている”ドーピング”。一度ルールを破れば長期的に競技への参加が禁止されるなど重い制裁が課せられるが、その後競技へ復帰している選手は少なくない。一方でタンパク質同化ステロイドやテストステロンなど骨格筋量そのものを増大させるような薬物が筋に及ぼす影響は現在でも完全には明らかになっていない。  今回Pick...
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フィッシュオイルは筋肥大にも効果的!?

   日々ハードなトレーニングを実施している者にはもはや定番となっているフィッシュオイル(魚油)のサプリメント。青魚(イワシ、サバ)にはエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸などのn-3系多可不飽和脂肪酸(n-3脂肪酸)を豊富に含むことが知られている。これまでにn-3脂肪酸をサプリメンテーションすることで筋量の減少が生じるような高齢者や糖尿病患者の筋量を増加させることが報告されてきた。 今回紹介する研究では、我々のような健康な人に対してもこのフィッシュオイルのサプリメント摂取によって筋肥大が起きるかを検証している。   方法 9名の健康な成人男女(男性:5,...
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低グリコーゲン状態でもアナボリックな応答は抑制されない

  ※筋グリコーゲン=筋肉に蓄えられる糖の一種で、筋肉の収縮のためのエネルギー源となる。   方法 16名の健康な男子   被験者は片脚のサイクリングで疲労困憊させ、もう一つの脚は安静にした。 疲労困憊した脚をLOW、安静にした脚をNORMに分類した。 次の日の朝、80%1RMの負荷で片脚ずつレッグプレスを5回8セット行った。 運動直後と2時間後に、8人は栄養補給させるグループとしてホエイ(20g)とマルトデキストリン(40g)を摂取させ、もう8人にはプラセボグループとして人口甘味料の水を摂取させた。   栄養グループのLOWとNORMを比較
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低酸素トレーニングで筋力を向上させる

    目的 低酸素環境下で高強度レジスタンストレーニングを実施した場合、通常酸素環境下と比較して筋力、除脂肪体重、20mスプリント、ジャンプ力の向上に効果的であるかどうかについて調査をした。   方法 被験者 レジスタンストレーニング経験者 20名   トレーニング内容 スクワット、デッドリフト、ランジ  2-4セット 3-6回 インターバル3分   トレーニング群分け 低酸素群  10名 開始~4週 酸素濃度14.5% 標高3100m  5週~7週  酸素濃度14.1%...
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計画的に増量をする

  増量は、あらかじめ目標体重と期間を決めてから逆算をして、必要となる摂取カロリーを1日単位で割り出すのが一般的である。 体重の増減は、エネルギー摂取量とエネルギー消費量の差、つまりエネルギーバランスによって決まる。 つまり体重を増やすためには、このエネルギーバランスを正(摂取量側)に傾けなければならない。 それでは、具体的にどれくらいのエネルギー摂取量が必要になるのであろうか。   筋組織の22%はタンパク質であり、70%は水分、残り8%がグリコーゲンや脂肪酸である。   摂取カロリーの余剰分がすべて筋の合成に使われたと仮定すると、 除脂肪体重(LBM)
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熟練トレーニーのディトレーニングの危険性について

    前回の記事「ディトレーニングでプラトーを打破する」では、定期的なトレーニングにディトレーニングを挟むことで徐々に停滞していく筋の肥大率、筋力の増加率を再び引き上げられることについて紹介した。    しかし、実施した実験の被験者は非鍛錬者であり、鍛錬者と比較してディトレーニングによる萎縮率が低い傾向にある。 我々は、たった1週間のディトレーニングでも、かなりの筋肉量が減ってしまう感覚に脅かされる。ましてや、前回の記事のように3週間のディトレーニングを入れる事は自殺的な行動といっても過言ではないだろう。  では実際に、日頃からトレーニング
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ディトレーニングでプラトーを打破する

   日々鍛錬に励む皆さんは、トレーニングの効果が停滞(プラトー)した時、その状況を打破するために、あえて一時的にディトレーニング(トレーニングを休む)を挟むという方法を聞いたことはないだろうか。  一般的に、ディトレーニングは鍛錬者に対して速筋線維の大きな萎縮をもたらし、同時に筋力も低下させることが明らかになっている。  果たして一時的にディトレーニングを挟むことは、トレーニングの効果を引き上げるために有効なのだろうか。  そこで、今回紹介させていただく論文は、継続的に行うトレーニングとディトレーニングを組み込んだトレーニングとで比較をし、
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エキセントリック収縮に神秘的なものはない

  エキセントリック収縮とは、筋が伸ばされながら力発揮する収縮様式を表す。 例えると、アームカール動作時にバーベルを下ろす局面のことである。 これまで、エキセントリック収縮は他の収縮様式(コンセントリック収縮、アイソメトリック収縮)よりも筋損傷が大きく、筋肥大の効果も大きいことが多くの先行研究から言われてきた。     同じ重量で同じだけの回数を行ったのにも関わらず、なぜエキセントリック収縮の方が肥大するのか? 何か神秘的な要素があり、それが影響しているのだろうか…   そこで今回紹介させて頂く論文は、異なる収縮様式(エキセントリック、アイソメトリック、コンセ
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