非線形ピリオダイゼーションで筋力を高める

 

パフォーマンスの向上を長期的に継続させるためには、トレーニングの特異性や強度、量を計画的に変化させる必要がある。このようなプログラムデザインをピリオダイゼーションと呼ぶ。

伝統的なピリオダイゼーションでは、筋肥大期→筋力期→試合期の順で計画を立て、1〜2ヶ月ずつ徐々に強度を高くしながらトレーニングボリュームを減らしていく。

 

トレーニングの効果は、ストレスに対して適応することで得られる。ピリオダイゼーションの目標は、過負荷の原理を最適にするためであり、従来の方法が誰に対しても当てはまるとは限らない。トレーニング経験を長年積んだ経験者では、同じ強度でのトレーニングを1ヶ月間続けると効果が薄くなってしまうことは百も承知だ。

 

そこで今回紹介させていただく論文は、強度を1セッションごとに変化させて非線形型にしたプログラムを線形型と比較することでどのような効果が得られたかをみた研究である。

 

被験者:週2回以上のトレーニングを最低2年行っている者

トレーニング種目:ベンチプレス、レッグプレス

トレーニング変数:以下のプログラムを週3日、12週間行った。

 

結果

両群ともにベンチプレスとレッグプレスの筋力が有意に増加した。(T1からT3)

平均の増加率(%)は、

線形群 ベンチプレス+14.37%、レッグプレス+25.61%。

非線形群 ベンチプレス+28.78%、レッグプレス+55.8%

 

非線形群の方がT1-T2と、T1-T3の増加率(%)が有意に高かった。

しかし、ベンチプレスの絶対値の増加は、統計的に有意差はみられなかった。

 

T1=1~4週、T2=4~8週、T3=8~12週

% Change= T2 - T1/T1; T3 - T2/T2; T3 - T1/T1.

 

 

結論

この研究の結果から伝統的な線形型よりも筋力を最大に伸ばすなら非線形型(1日毎に強度を変える)の使用をサポートする。

 

感想

今回の非線形型プログラムは、バリエーションの1つとして取り入れのに良いかなと思いす。どのトレーニング方法が正しいという答えは無いけれども、ストレスに慣れてプラトーになった場合には積極的にこのような変化を刺激として与えてみるのもいいかなと。私の持論は、一番重要なポイントはトレーニングの刺激に慣れないことだと思っています。例えば、線形型でプログラムを組むとします。筋肥大期ではトレーニング種目を頻繁に変えたり、毎回セット数を増やしたりなど工夫することで「慣れ」をある程度排除することが出来ます。目的が筋肥大、または筋力増加にしても、いかに慣れないようにするかがキーになるかと思います。パワーリフターがサイクルトレーニングを組む理由も『慣れ』を排除するためなのかもしれませんね。

 

トレーニングの組み方は、無数にあってどれが最適かなんて現在の科学を持っても分からないです。しかしその反面、限りない可能性を秘めていて、個人個人がTry & Errorを繰り返すことで自分に適したプロトコルを探しています。そうやってブラッシュアップしていくことがトレーニングの醍醐味じゃないかなと感じています。

 

RHEA, MATTHEW R.; BALL, STEPHEN D.; PHILLIPS, WAYNE T.; BURKETT, LEE N :A Comparison of Linear and Daily Undulating Periodized Programs with Equated Volume and Intensity for Strength. Journal of Strength and Conditioning Research, 2002, 16(2), 250–255 q 2002 National Strength & Conditioning Association