減量(水抜き):大島逸生

 

どうも、まずは私の試合数日前に行う減量のテクニックから紹介させて頂きます。

上級というほどではないですが、私は毎回この方法を行うことによって他者との差をつけます。

 

 

ここで説明される減量方法は脱水です。

なぜ、脱水による減量方法を行うかというと、私の競技は階級制で規定された時間にその体重をクリアしていれば、OKという競技だからです。

一時的に水分を減らし、クリアすれば水分を戻して他者よりも重たい体重で戦うことがメリットです。

スポンジと同じです。水の含んだスポンジを絞って再び水を入れるような感じです。

 

また、他のメリットとして

①元の力があまり落ちないので試合後に身体を1から作り直さなくても良い

②試合ぎりぎりまで、重たい重量を扱うことができるので最後まで質の良いトレーニングが行える

などです。まだまだあげるとキリがないですが...

 

デメリットとしては、

①ある程度の知識と経験が必要

②体重が落ちなければ失格してしまう恐れがある

③リカバリーを十分にしても、筋痙攣する恐れがある

などなど、こちらもあげればキリがないです。

 

それでは、今年2月のジャパンクラシックで3位になりましたが、その時に行った減量方法について語らせて頂きます

大会の6日前に作戦は実行されます。ちなみに7日前は、食べ過ぎて81.2kgでした(笑)

 

大会6日前の体重は約80kg。ここ最近はずっとこの体重で安定していましたので、元の体重はこれくらいです。

74kg級に出場しますので、およそ1週間で6kg減らします。

ここからスタートです。

 

まずは体内にあるナトリウムを排出させます。

いわゆる塩分カットというものです。

人間の身体の60%は水分で出来ていて、体内のナトリウムは正常な体液のバランスを保つ働きを担っています。

このナトリウムが身体の中から減ってしまうと、濃度の均等を保つために水分が身体から排出させられます。

 

身体のナトリウムを減らすには主に二つの方法があります。

1.摂取を減らす

2.汗などから排出する

この中で特に大事なポイントは摂取を減らすことです。

人間の汗の99%は水分であり、汗でナトリウムを減らすにはかなり大変な作業が必要です。

 

まずは3日間かけて塩分の摂取量を減らしていきます。

1日目 2g、2日目 1.5g、3日目 1g  ... のような流れです。

食材に気をつけて、野菜や生卵、白飯、プロテインなど素材に近い食べ物を食べました。

今回ではその方法で3日で-3kgほど落ちました。

 

 

しかし、下の写真は4日目の朝ですが、水分の落ちがプラトーになっていきます。

1回の睡眠で300g前後は落ちるのですが、まったく落ちませんでした。

 

 

さて、ここからはもう一つ工夫が必要です。

人間は、1日に2.4Lの水分を飲食から摂取して、2.4Lの水分を尿や便、または汗などから排出します。

 

4日目には、水分の排出がだいぶ抑えられますが摂取する水分を控えることでかなり落とすことが可能になります。

ここから少しずつ喉が渇いていきます。ガムやアメを口の中に含み続けると少しは楽になります。

下の図は5日目の朝です。大会前日の朝です。

だいぶ落ちましたね。

ここからは、どんだけ動いてもなかなか汗が出ず、もう2つほど工夫が必要です。

 

1つ目は炭水化物の摂取量を断つことです。

塩分カットと同時に実は炭水化物も少しずつ落としていくのですが、ここでは摂取を30g未満にしました。

 

そして、2つ目にダメ押しとして仕上げのサウナです。

ここでやっと身体的、精神的ストレスが襲いかかります。

サウナは、15分、15分、5分、5分で-1kg減りました。

汗もなかなか出ず、少し苦労が必要です。

そしてようやく74.7kgです。

ここでは身体は少しふらつき、喉も渇き力が入りません。

 

その状態から夜の10時から千葉へ行きました。

試合の検量は、13時からです。試合会場に近づくにつれて緊張からか、意外と自然に体重は減ります

選手の皆さんは、そのような経験をよく感じていると思います。

それもふまえ、検量体重+700gの状態で自宅を出発をしました。

そして、試合会場に着き9時半くらいに体重計に乗ってみます。

 

すると、、体重は73.85kg

 

予想以上に落ちていたので少しでも喉に潤いが欲しい私は350mlのコーラを購入。

世の中にこんな美味しものがあっていいのか、と思うくらい絶品に感じました。

そして13時になり、73.94kgでクリア。

自然とガッツポーズが出ましたね。

 

ここからが大変です。

試技開始まで2時間ですので、急いでリカバリー

塩、ブドウ糖、BCAA、クレアチン、ポカリスエット

ここで早めに補給をすることで試合での筋痙攣のリスクを下げ、またパフォーマンスを回復させます。

吸収の面では、濃度が低い水が一番最適ですが、この時に水のみを飲むと数分後に全てリバースしてしまいます。

ナトリウムや炭水化物などの水を溜め込む物質がないと吸収しません。これは経験済みです。(笑)

 

ポカリスエットを選んだ理由は、塩分と一緒に飲んだ際のしょっぱさがマシになるからです。

スポーツ飲料などがオススメです。僕のイチオシはソルティーライチです。

これらは常温で飲んだ方が良いと思います。

なぜ、ブドウ糖とBCAAを選ぶかというと炭水化物+たんぱく質を同時摂取することによってさらに筋グリコーゲンが回復されます。

そして、この2つは吸収の面でかなり早く、効率良く回復します。

 

このようなリカバリーのおかげで試合時には、検量から体重が+2.5kgほどの状態で挑むことができ、練習ベストくらいの数字が出せました。

 

プラスαしておけばいいことは

①カリウムを摂取する

・・・カリウムはナトリウムを排出させる作用があり、野菜やサツマイモなどに多く含まれています。

②ウォーターローディングをあらかじめしておく

・・・常に多くの水を摂取して、多くの水を排出させる習慣をつけておくと、塩分カット時に多くの水が排出されるかも。。エビデンスはないですが、よく言われます。

③暑熱馴化させておく

・・・サウナやお風呂、または夏では外に出るなどをして身体を暑さに馴化させることで、水抜きで効率良く発汗するので楽になる。馴化はおよそ1〜2週間ほどかかるらしい。

です。

まだまだ、他のテクニックもあるだろしこれが最善の策ではないと思います。

 

私が66kg級で出ていた頃は、サウナで2〜3日かけて約4〜5kg落としていました。

その時では、試合後に家で体重を測ったら72kgありました。

やはり、急に落とす方が水分の吸収力も早いと思います。

しかし、ストレスの面では本当に苦痛ですが、、、

 

研究では、体重の3%の水分を落とすと瞬発系の運動の能力が落ちるという研究もあります。

ただこれは研究ベースの話であり、状況が全然異なります。

 

みんな減量をした方が良いとは言いませんが、

勝つ可能性を広げる1つの手段だと思います。

みんなと同じことをやっても勝つ人間というのはごく一部です。

違う方向から攻めることで結果は大きく変わる可能性があります。

 

私の方法は最善の策ではなく、1つの方法です。

他の案があったり、もっとこれがいいよというのがあればまた教えて下さいね。それでは!!