記事のアーカイブ

ストレッチで休日の筋萎縮を防ぐ

ゴールデンウィークなどの長い連休は家でゴロゴロしたり、布団から出なくなったりするトレーニーはいるのではないか。 それは、きわめて危険な行為である。筋の活動量が大きく減少すると筋の萎縮が生じてしまうからだ。   14日間のベットレスト(寝たままの生活)で、筋の横断面積が25%ほど減少した研究がある。この理由に、筋の合成量の減少と同時に筋の分解量の増加が生じているからである。そんな長時間動かなことはないだろうが、動かない休日の間、筋の萎縮は着々と進行しているはずだ。   それでは、風邪をひいてしまってトレーニングが出来ない場合はどうすれば良いのだろうか。 笠原らの研究では、デ
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80年代の鬼畜プロトコル(1RM×18セット 週5回)

  1980年代にベンチプレスの1RMを大幅に増加させた信じられない実験がある。なんと、被験者のベンチプレスが9週間で平均40%ほど増加したのだ。 現代では倫理的にありえない鬼畜プロトコルではあるが、11人の被験者が増加した結果となっており非常に興味深い。 今回はどこのコラムにも載っていないような35年前の恐ろしい論文について紹介させていただく。   被験者:75人の男子学生 運動方法:ベンチプレス1RM...
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動物性タンパク質 vs 植物性タンパク質

  トレーニング効果を最大限に引き出すためには、トレーニング内容だけでなく栄養摂取にも気をつける必要がある。 ほとんどのトレーニーは、トレーニング後にプロテインを摂取しているはずだ。その理由はいたってシンプルで、筋肉を効率的に肥大させたいからであろう。また、普段の食事でも積極的にたんぱく質を摂取して、筋のたんぱく合成を上げるために努めているはずだ。 たんぱく質は、牛や鳥などの動物から摂取することができるが、大豆や小麦などの植物からも摂取することができる。 ホエイペプチド(動物性)は栄養価が高く、吸収率も良いとされている。 大豆ペプチド(植物性)は血清コレステロールを抑制させ、減量時に
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カフェイン摂取で筋力・筋パワーを増加させる

  カフェインは、コーヒーやモンスターエナジー、レッドブルなどに入っている物質であり中枢神経を刺激して、覚醒を促すことで様々なスポーツのパフォーマンスにおいて、向上するといわれている。    もう少し詳しく言うと、「カフェインがアデノシン受容体に拮抗することによって覚醒作用を促進し、随意筋力や筋コーディネーション能力を改善させる」といわれている。それに加え、痛みの感覚を減退させることや脂肪酸化量が増えることで持久能力が改善されることもいわれている。 実際に、マラソンなどの有酸素性能力は、カフェインを摂取することによって向上することが多くの研究で証明されている。 一方で、筋力や筋パワー
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低強度高回数の方が高強度低回数よりも筋たんぱく合成を刺激する

  現在のトレーニング科学では、筋肥大を目的としたトレーニングを行う場合、8回〜12回(67%1RM〜80%1RM)で行うことが最適であると言われている。 しかし、トレーニングの現場ではトレーニング強度の設定は人それぞれで異なっており、15RMを中心に行う者もいれば6RMを中心に行う者もいる。 実際に、サージヌブレは低強度高回数で恐ろしいほどの大きなバルクを手に入れている。一方で、合戸孝二は高強度低回数を用いて日本で何度も好成績を残してる。(合戸選手の場合は、セット数が多いで高ボリュームになるが...)         筋肥大に重要な因子は、強度か、それともボリュームか..
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首の動きを利用してパフォーマンスをあげる!?

  「緊張性頚反射」という言葉はご存知だろうか? これは、頚(首)の動きによって、腕や脚が反射的に動くというものだ。ある研究では、除脳した猿の顎を下に強く引くと下肢が伸展(伸びる)して、上半身が屈曲(曲がる)する。首を右に回すと、四肢の右側が伸展して左側は屈曲する。人間の場合は、首を上に上げると四肢がすべて伸展し、首を下げれば四肢が屈曲することが知られている。この緊張性頚反射は、本人の意思とは無関係に、脳幹を経由して四肢を伸展させたり屈曲させるのだ。 複数の関節を動かす動作は、連動性の効率が良くなることでパフォーマンスが大きく向上する。(ピッチングやバッティング、ベンチプレスやスク
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トップリフターのベンチプレスを科学的にみる

ベンチプレスは、ウエイトトレーニングの中で最もポピュラーな種目と言っても過言ではない。 ジムの中で見知らぬ者が現れた場合、トレーニングレベルをベンチプレスの重量で推測することは誰もが行う方法ではないだろうか。(筆者の勝手な自論) 力の象徴でもあるベンチプレス。誰もが強くなりたいと思っているはず。 しかし、強くなるためにはどのようにして挙げれば良いのであろうか。強い人達の動画を見ても改善点が分からないのがほとんどの意見である。なぜなら、フォームを真似てもどの筋肉を使って、どのように連動しているのかなんて分からないからだ。 そこで、今回紹介する文献はナショナルレベルのトップリフターにベンチプレス
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パワーリフターの身体組成データ

スポーツの種目によって、適する体型は様々である。バスケットボールでは身長が高い方が有利で、逆に体操では身長が低い方が有利である。 スポーツ選手の上腕と身長の比について欧米人で集めたデータによると、パワーリフターは一般人よりも上腕と身長の比が顕著に低いことがわかった。 つまり、パワーリフターは一般人よりも上腕の長さが短かかったのだ。おそらく、上腕が短い方がベンチプレスで有利だからであろう。 台湾などの腕が長く、デッドリフトを得意としている国でデータを獲ると違った結果になったのかもしれないが... パワーリフティングで好成績を獲るには、筋の太さや高度なテクニックが必要とされているが、こういった体
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加圧トレーニングの効果は四肢だけなのか?

  軽い重量でもすぐに激しいパンプアップが起こる加圧トレーニング。加圧によって血流を制限することで、筋自体に大きなストレス環境が生まれ、筋肥大すると考えられている。 主に加圧をかける部位は、上腕部や大腿部の根元側である。トレーニングをすると加圧をかけた部位から遠位側がうっ血するイメージがある。果たして、トレーニング効果があるのは四肢だけなのだろうか?    ...
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代償性肥大した筋肉は特性が変わるのか?

  前回の続きである。(肥大した筋肉は特性が変わるのか?) 春日らが行った動物実験では、ジャンプトレーニング(JT)群と持久性トレーニング(IST)群、ヒラメ筋の協働筋を切除した代償性肥大(TT)群を設けた。介入後、肥大の増加率はJT群+136.8%、IST群+117.3%、TT群+158.9%であり、TT群の代償性肥大による顕著な増加が見られた。 前回では、トレーニングによって肥大した筋の機能特性は変わらないことを紹介した。 しかし、代償性肥大による最大発揮張力(N/cm2)は、5週目では変わらないが1週目、3週目では低く示された。つまり、代償性肥大による初期の急性肥大は
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