2016年07月03日 20:16

減量時:高たんぱく質食の重要性

 

減量の理想は、可能な限り除脂肪体重(LBM)を維持しながら体脂肪量を減少させることである。1日のエネルギー収支がマイナスの状態で、LBMを出来るだけ維持するためには筋たんぱく合成の促進または分解を抑制するような計画的な食事を行う必要がある。先行研究では、エネルギー収支がマイナスの状態で、筋力トレーニング直後に30gのプロテインを摂取した群では、15gのプロテインを摂取した群よりも筋たんぱく合成が促進されたようだ。このように高タンパク質を摂取することは、減量時においてもLBMの維持に大きく貢献することが考えられる。

 

今回紹介させていただく論文は、エネルギー収支がマイナス+激しい運動を組み合わせた時のたんぱく質量の差異が体組成に対してどのような影響を及ぼしたのかを検討した研究である。

 

方法

被験者:BMIが25以上の肥満男性40名(週1-2回ほどのレクリエーション活動をしているが、定期的な筋力トレーニングや計画的な無酸素運動や有酸素運動を行っていない)を2群に振り分ける。

 

食事:エネルギー摂取量40%減少(33±1kcal/kg)

高たんぱく質群:2.4g/kg (1日に体重1kgあたり2.4gのたんぱく質を摂取)

低たんぱく質群:1.2g/kg (1日に体重1kgあたり1.2gのたんぱく質を摂取)

 

運動:週6回の高強度運動

・全身の筋力トレーニング 80%1RM 3セット(2/週)

・HIT/SIT(高強度インターバルトレーニング) (2/週)

・250kJ タイムトライアル (1/週)

・プライオメトリックサーキット(自体重)

 

期間:4週間

 

結果

除脂肪組織(LBM)は、高たんぱく質群の方が有意に増加した。(1.2±1.0kg vs 0.1±1.0kg)

体脂肪量の減少においても高たんぱく質群の方が有意に高かった。(-4.8±1.6kg vs -3.5±1.4kg)

 

結論

エネルギー収支がマイナス+激しい運動を行った時、高たんぱく質食(2.4g/kg)の方が、低たんぱく質食(1.2g/kg)よりもLBMの増加と体脂肪量の減少を促進する。

 

 

感想

増量期に関わらず減量期においても、たんぱく質を多く摂取することの有効性を示した良い論文だと思います。面白い点は、運動習慣の少ない(1-2回/週)過体重の男性に、筋トレやHIT+高たんぱく質を組み合わせることで、エネルギー不足にも関わらずLBMの増加と体脂肪の減少が生じた点です。トレーニング指導をする際は、トレーニング経験のない太った人を狙ってみるのもいいかもしれませんね。笑

 

減量時にたんぱく質を2g/kg以上摂取した場合、どの量まで効果があるのかを追及した研究が出てきてほしいですね。

 

※低たんぱく質群は、高たんぱく質群の摂取したカロリーと揃えるために脂質を多く摂りました。多少なりとも、体脂肪量に影響を与えているかもしれませんね。

 

Thomas M Longland, Sara Y Oikawa, Cameron J Mitchell, Michaela C Devries, and Stuart M Phillips :Higher compared with lower dietary protein during an energy deficit combined with intense exercise promotes greater lean mass gain and fat mass loss: a randomized trial. AJCN. First published ahead of print January 27, 2016 as doi: 10.3945/ajcn.115.119339. 

 

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