低グリコーゲン状態でもアナボリックな応答は抑制されない

論文レビュー

※筋グリコーゲン=筋肉に蓄えられる糖の一種で、筋肉の収縮のためのエネルギー源となる。

方法

16名の健康な男子

被験者は片脚のサイクリングで疲労困憊させ、もう一つの脚は安静にした。

疲労困憊した脚をLOW、安静にした脚をNORMに分類した。

次の日の朝、80%1RMの負荷で片脚ずつレッグプレスを5回8セット行った。

運動直後と2時間後に、8人は栄養補給させるグループとしてホエイ(20g)とマルトデキストリン(40g)を摂取させ、もう8人にはプラセボグループとして人口甘味料の水を摂取させた。

栄養グループのLOWとNORMを比較

プラセボグループのLOWとNORMを比較

このように2つのグループに分け、それぞれグリコーゲン濃度が違う左右の脚で比較した。

結果

合成シグナルに関しては割愛…

運動後の筋原線維のタンパク合成速度について

プラセボ群では、LOWとNORMの間に有意な差は認められなかった。

また栄養群においても、LOWとNORMの間にも有意な差は認められなかった。

結論

筋グリコーゲン濃度が低い状態で高強度のレジスタンストレーニングを実施しても、合成シグナルと筋原線維のタンパク合成速度は損なわれない (最低運動後4時間以内)。

筆者の考察

自身も著者と同じく低グリコーゲン状態では、タンパク合成速度が下がってしまうだろうという考えだったので、それが覆された興味深い論文でした。

しかし、4時間以降の応答は見ていないので結果をそのまま鵜呑みにするのは危険です。

また、ボディビルのように一つの部位に対して高ボリュームのトレーニングを実施する場合は、運動を継続するのに低グリコーゲン状態だと限界があるので、できなかった分のトレーニング効果が落ちてしまう可能性があります。

本研究は、直接現場に落とし込むには難しいですが、十分現場で考える材料にはなると思います。

Camera DM, West DW, Burd NA, Phillips SM, Garnham AP, Hawley JA, et al. Low muscle glycogen concentration does not suppress the anabolic response to resistance exercise. J Appl Physiol (2012);113:206–14.

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